第2章 スポーツ男子とワタシ
学校に近づいても
登校時間ギリギリのため
やはり生徒は疎らだ。
中履きに履き替え
教室へ向かう途中
前方から騒がしい集団が
こちらへ向かってくる。
「おぅ、ヒカリ相変わらずギリギリだな!」
先頭を歩く鉄朗が声を掛けてくる。
「仕方ないでしょ、目覚ましが勝手に止まってたんだから……」
「それ、お前が止めてまた寝てんだろ!」
ケラケラと笑いながら
私の頭をぐしゃぐしゃにする。
あーあ、
私の寝癖
更に爆発だわ……。
「クロ、予鈴鳴ってる……」
隣を歩く研磨くんがボソッと告げる。
「んぁ、そだな! んじゃまたな!」
そう言って鉄朗はまた
私の頭をぐしゃぐしゃにして
颯爽と去っていった。