第1章 クロ猫彼氏とワタシ
ベッドサイドのスマホを手に取る。
まだ日付けが変わったばかりのようだ。
スマホを元に戻し、
隣で眠る悪人面した彼を見る。
スヤスヤと寝息を立てている彼に
そっと口付けしてみる。
「ふにゃっ!?」
「どした? あんだけヨガってたのに、まだシ足りねーの?」
ニヤリと笑いながら急に腰を抱き寄せられたので
思いのほか奇声を発してしまった。
「ちょっ、鉄朗! 寝てたんじゃ無いの?」
「んぁ? まぁ、寝てたけど……ほら、王子様は愛するお姫様のキスで目覚めるんだろ?」
「いや、逆だから……って、どこ触ってんのっ!?」
先程まで腰にいた手が、
どんどん下へと下がっているし
反対の手は、服の上から
胸を揉んでるし……
「もちろん、第2ラウンド突入っしょ?」
カーテンの隙間からさす月明かりが
ニヤリと笑う彼を、照らし出す。
そんな姿が
不覚にも綺麗だな。
なんて思ってしまう辺り
私はまだ、
夢の中にいたのかもしれない──。