第11章 合同練習とオレ
トイレに行こうと廊下に出ると
階段の方から人の気配がする。
何となく気になって行ってみると
踊り場に蹲るヒカリが居た。
「おいっ!! ヒカリ!! どうした!? 大丈夫かっ!!?」
慌てて駆け寄り声を掛ける。
「てつろ……てつっ…………ふぇっ……っっ……てつろぉ……」
涙で頬を濡らし、目を真っ赤にしながら
俺にしがみついてくるヒカリ。
何があったのかと聞いても
首を横に振るだけで何も教えてくれない。
俺はただ、
優しく抱き締めて
少しでも安心出来るように
背中をさすってやるくらいしか出来なかった。