第18章 大丈夫
「・・・ヒカリ、大丈夫か?」
俯きながら歩いていたからだろう。遙先輩が心配して声をかけてくれる。
「あ!だ、大丈夫ですよ!」
「本当か?今、その・・・山崎がいただろう」
え?・・・遙先輩今、『山崎』って・・・
「へ?あ、あの・・・」
「この前のお前と江の話・・・悪いとは思ったが、聞いてた。真琴も怜も渚もな」
「え・・・えええぇぇぇ?!ちょ、ちょっと・・・ええぇ?!」
「落ち着け、ヒカリ」
いや、落ち着いてなんていられない。私が宗介さんを好きってことも、フラれちゃったってことも、全部遙先輩達は知ってるってこと?!
どうしようどうしよう、頭の中がパニックで言葉が出てこない。
「な、な、なん・・・で・・・あの・・・う・・・あー・・・なんで・・・」
「落ち着け、とりあえず深呼吸しろ」
「は、はい・・・すぅ・・・はぁぁぁ・・・」
遙先輩に言われたとおり、深呼吸する。まだ混乱してるのは変わらないけど、ほんの少しだけ落ち着いた。