第18章 大丈夫
そして、また一週間ぐらいの時間が過ぎて。
お昼休み、今日も私は屋上で水泳部のみんなといっしょにお弁当を食べる。
ワイワイと他愛もないことを話したりしていると、怜先輩が一枚の紙を取り出した。
「そういえばこんなものが今日の新聞のチラシに入っていたのですが・・・」
「なになに~?うわあ!『鯖料理のバイキング、サバイキング本日限定で開催!和洋中世界各国の鯖料理を取り揃えております』だって!」
渚先輩が怜先輩からチラシを取り上げて、それを読み上げる。そしてそれにすごい反応を示したのが遙先輩だ。
「サバイキング・・・だと・・・!!」
「あはは!ハルにぴったりのバイキングだね。部活の後行ってきたら?」
「真琴、一緒に「いや、さすがに鯖だけはちょっと・・・」
「渚「同じく!」
「怜「僕も同じくです」
「ご「私も同じくです」
うわあ・・・みんなすごい速さで断ってる。江先輩に至っては、遙先輩、名前を呼ばせてももらえなかった。
「なら、ヒカリ」
「はい、行きます!」」
「「「「ええぇぇぇぇ?!」」」」
だって、鯖は普通に好きだし、バイキングならたくさん食べてもいいし!それにみんなに断られ続けてる遙先輩がなんだかかわいそうになってしまったのだ。
「だ、大丈夫なの?!」
「無理しないで嫌なら断ってもいいんだよ」
なんて先輩達は口々に心配してくれたけど、私は笑って答えた。
「はい、大丈夫です!私、好き嫌いないので」
「ヒカリ、お前はいい奴だ。鯖好きに悪い奴はいない」
ガシッと遙先輩に手を握られてしまった。遙先輩ってクールなイメージが強かったけど、こんな一面も持ってるんだ、っておかしくなってまた笑ってしまった。