第17章 一晩明けて
「もう大丈夫?」
「・・・は、はい・・・ごめんなさい・・・」
江先輩に背中を擦ってもらいながら、私は暫くの間泣き続けた。
「ううん、私がヒカリちゃんに聞きたかったんだもん。つらいこと思い出させちゃってごめんね。でも・・・ヒカリちゃんは私の大事な後輩だし・・・心配だったから」
「江先輩・・・」
それから私は今までのことを少しずつ話した。いっしょにご飯食べに行ったこととか、私があげたシナモン入りのクッキーを宗介さんが食べてくれたこととか。気持ちが溢れて、思わず宗介さんに告白してしまったこととか・・・
江先輩は相槌を打ちながら、私の話を聞いてくれていた。
「そうだったんだね・・・ふふ、私の知らないところで色々あったんだね」
「う・・・すいません・・・なんか相談しづらくって・・・でも、あの・・・なんで・・・その・・・宗介さんのこと・・・わかったんですか?」
確かに昨日の私の態度はおかしかったかもしれない。けど、あれだけで宗介さんと何かあったんじゃないかとか・・・私が宗介さんを好きなんじゃないかとか、わかってしまうなんて・・・
「ふふ、そりゃわかるよぉ!だって、昨日宗介くんの話をした途端、ヒカリちゃん顔色変わったし・・・その後、鮫柄に行ったのかなって予想はつくよ」
「う・・・そ、そうですね・・・」
「それに・・・みんなで映画に行った時、なんかヒカリちゃん、宗介くんのことを意識してるように見えたんだよね」
・・・すごい。だって、映画に行った時は確かに宗介さんのことを意識してたけど、まだ好きだって自覚はなかった。それなのに気付いてしまうなんて江先輩すごい。いや、それよりも・・・
「あ、あの・・・もしかして私・・・そんなにわかりやすかったですか?」
恐る恐る聞いてみる。もしかして私の気持ち、周りにだだ漏れなんじゃ・・・
「うん!結構わかりやすかったよ!」
江先輩は笑顔で答えたけれど、穴があったら入りたい、そんな気持ちになってしまった。