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いちご☆恋模様

第17章 一晩明けて


「はーい!皆さん、休憩にしましょう!」

江先輩がそう言って、遙先輩達がプールから上がってくる。ドリンクやタオルをみんなに渡す。

・・・少し疲れてしまった。まだ思い出すだけで涙が出てくるのに、学校に来てからずっと我慢してたからだと思う。休憩時間の間だけでも一人にさせてもらおうかな・・・どうやって伝えればいいだろうか、そんなことを考えていたら江先輩にポンっと肩を叩かれた。

「ねえ、ヒカリちゃん、ちょっと二人だけでお話しない?」
「へ?いえ、でも、私・・・」
「いいからいいから!行こっ!」
「え?あの、ご、江先輩?!」

江先輩は私をぐいぐいと押していく。渚先輩が『え〜!二人だけで何の話するの?ずるい!』なんて言っても『ダーメ!ガールズトークなんだから、男子は立ち入り禁止!』と言って、私を部室兼更衣室まで連れてきてしまった。


「あ、あの、江先輩?」
「ほら、そこ座って」
「え、えーっと・・・はい・・・」

江先輩に言われるがままに私はベンチに腰を下ろした。江先輩が私のすぐ隣に腰掛ける。

「・・・あの・・・どうしたんですか?急に」
「・・・違ってたらごめんね。ヒカリちゃん・・・もしかして宗介くんと何かあった?」

ドクンと心臓が音を立てて鳴った。

「へ?!え、えっと、な、なんで・・・」
「ふふ、もう認めちゃったね」

顔が一気に熱くなる。『なんで』なんて聞いてしまったら、それはもう宗介さんと何かあったと認めたようなものだ。

「うーんと、これも私の勘なんだけど・・・ヒカリちゃん・・・・・・宗介くんのこと、好きなんじゃない?」
「・・・・・・・・・は・・・い・・・」

小さな小さな声で答えた。だって宗介さんの名前が出ただけでもう顔が熱い。きっと真っ赤になってる。フラれたのに・・・それでもまだ私、宗介さんのことが好き。

「でも・・・でも、私・・・・・・」
「うん」

江先輩の声が優しい。

「わ、私・・・宗介さんに・・・フラれちゃいました・・・・・・っっ・・・っ」

そこまで言うと、また涙が溢れ出した。

「うん・・・うん・・・そっか・・・」

江先輩が背中を擦ってくれる。昨日あれだけ泣いたのに、涙は次から次へと溢れてきた。
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