第13章 帰りたくない
「!!」
「・・・!」
急に宗介さんの携帯が鳴って、私達はパッと手を離した。
「・・・おお、凛か・・・ああ・・・いや、もう帰る・・・ああ、そんじゃな」
電話は凛さんからみたいだった。
宗介さんが電話に出ている間、私は心臓のドキドキが止まらない。急に身体がかあっと熱くなってきた。きっと今、顔も真っ赤になってる。
・・・さっき宗介さんの顔が近付いてきたと思ったのは気のせいだったの?それとも本当に・・・もしそうだったとしたら・・・凛さんからの電話がなかったら、私達は一体どうなってしまっていたんだろう。
「あ、も、もう遅いですよね!帰りましょうか!」
「・・・そうだな」
動揺が伝わらないように努めて明るく言う。宗介さんもいつの間にかいつもの宗介さんに戻っていた。