第11章 大好きがとまらない
「・・・ヒカリ、なんかお前顔赤ぇぞ」
「へ?や、これは、その・・・」
まさか宗介さんのことを改めて好きだなあって思ってました、なんて言えない。そして宗介さんに覗き込まれるようにじっと見つめられて、もっと頬が熱くなっていく。
「い「いちごじゃないですよ!」
「・・・俺まだなんも言ってねえし」
・・・それは嘘だと思う。だって口の形が『い』の形になっていたから。絶対また、いちごみたいとか言おうとしたに決まってる。
「わかりますよ、宗介さんの言うことくらい・・・」
「はっ・・・そうか」
そう言って私が少し睨むと、宗介さんがくしゃりと笑って、軽く頭を撫でてくれる。
・・・ずるい。この笑顔も、大きな手も大好きなのに。もっともっと大好きになってしまう。大好きな気持ちが止められない。
「・・・てかお前、何分前から待ってたんだよ」
「え?!さ、30分前です・・・」
「げ・・・んな早く来たんなら電話かメールしろよ・・・」
「宗介さん、い、忙しいかなって・・・」
「いや・・・普通に寝てた」
「ね、寝てたんですか?」
「ああ・・・なんかお前、変なとこで遠慮するよな・・・普段うるせえくせに」
「う、うるさいは余計ですよ!」
「ははっ」
宗介さんと並んで歩く。なんてことない、どうでもいいようなことを話しながら。
ずっとこんな時間が続けばいいな、そんな風に思った。