第7章 いつもと違う帰り道とやっと気付いた気持ち
「うん!美味しいね、ヒカリちゃん」
「は、はい、美味しいですね」
なるべく江先輩と同じようなペースで食べるように心がける。普通の女の子って、こんなにちっちゃくゆっくり食べるんだなあ。でもこれだと食べてる気がしないなあ・・・などとふと視線を正面に向けると・・・
「・・・」
「・・・!」
宗介さんと思い切り目が合ってしまった。私が食べてるの、もしかして見てた?
「・・・こ、こっち見ないで下さい」
「はぁ?正面にいるんだからしょうがねえだろ。てか、別に見てねえよ」
「う、嘘だ、見てたもん!」
「見てねえ」
「見てた!」
「見てねえ」
「見てた!」
「お前ら、そろそろ出ようぜ・・・って、なんだお前ら仲いいな」
「よくない!です!」
「よくねえ」
宗介さんとぴったり同時に言ってしまった。そして、凛さんに言い合いしてるところを見られてしまった・・・恥ずかしくて仕方ない・・・
でも・・・気のせいかもしれないけど、私が食べてるところ、宗介さんに見られてた気がする・・・