第7章 いつもと違う帰り道とやっと気付いた気持ち
私がそんなことをぼんやり考えながら歩いていると、凛さんがくるりと後ろを振り返って言った。
「おお、ちょうどいい時間だし、飯でも行くか」
「行く行くー!お兄ちゃんのおごりね」
「あぁ?!・・・まあ、いっか。たまには」
「やったあ!ヒカリちゃんももちろん行くよね?」
せっかく誘っていただいたんだけど、今は早く一人になりたい。断ろうとした私だったが・・・
「い、いえ、私はもうこれで・・・」
「おう、ヒカリもこいよ。いつも江が世話になってるんだし、おごってやるからよ」
・・・ホント、凛さんっていい人だなあ・・・でもまずい。これは断ってはいけないパターンなんじゃ・・・
「いえ、申し訳ないですし、それにあの・・・」
「遠慮すんなって!なっ?・・・あ、宗介は自分の分ちゃんと払えよ」
「ああ、わかってるよ」
・・・凛さんいい笑顔だ。これはおとなしくついていくしかなさそう。
でも、そっか・・・みんなでご飯か・・・色々気をつけないと・・・・・・
凛さんや宗介さんが焼き肉だのトンカツだの言っていたのを江先輩が却下して、結局オムライスのお店に行くことにした。
「わーたくさん種類があるねー。迷っちゃうなあ・・・あ、サイズも選べるみたい。私はSサイズでいいかなあ。ヒカリちゃん、どうする?」
「じゃ、じゃあ私もSサイズで・・・」
お店で席について、隣りの江先輩がメニューを開いて見せてくれる。ここは江先輩と同じにしておいた方が無難だろう。
「そういえばヒカリちゃんって、お弁当水泳部のみんなと食べたことないよね?昼休み、なんかあるの?」
「あ、ああ!あの、色々用事が・・・」
「ふーん。でも今度一緒に食べようね。ヒカリちゃんのお弁当って、ヒカリちゃんとおんなじでちっちゃくて可愛いイメージだよね、なんか」
「あ、あはは・・・そうですね・・・」
「俺、こいつ大盛りで」
「大盛り・・・は多分Lサイズだな、俺も腹減ったしLサイズかな」
私の苦悩なんかおかまいなしに、大盛りなんて頼んじゃって・・・いいなあ、男子は・・・
というか、私の前に座ってるの宗介さんなんだ。これではまともに前を向けそうにないし・・・うう、色々気をつかうなあ・・・