第25章 見つけられたもの
腕を伸ばして、すぐ隣りのヒカリを抱きしめた。
少し、肩が痛む。だけど、今はそんなことどうでもよかった。
初めて抱きしめたヒカリの身体は、予想してたよりもずっと小さく、そしてあたたかかった。
「・・・・・・」
「あ、あ、あの・・・そ、う・・・すけ・・・さん?」
突然の俺の行動に驚いたのか、ヒカリの肩が小さく震えている。
・・・これを言ったら多分もっとびっくりさせる。でも、伝えずにはいられなかった。
「・・・一度しか言わねえからよく聞けよ」
「・・・・・・」
「・・・・・・俺もヒカリのことが好きだ」
「!!!」
俺がそう言うと、ヒカリがバッと顔を上げた。少し腕を解いて、ヒカリの顔を見る。信じられない、と言った顔で目を丸くさせている。少し笑いそうになるのを堪えて、今度はヒカリの目を見て言う。
「・・・待たせてごめんな」
「・・・・・・・・・っっ!!!」
「っ!と・・・」
そっと頭を撫でてやると、ヒカリの瞳からはまた涙が溢れてきた。だけど、それと同時にヒカリが俺に抱きついてきていた。それを受け止めて、もう一度ヒカリの身体を今度はさっきよりも強く抱きしめる。強く抱きしめたら壊してしまいそうだったが、それでも湧き上がる気持ちを抑えることはできなかった。
「そう・・・すけ、さんっ!・・・っく・・・宗介さん!!」
「なんだ?」
「・・・っ・・・わ、私も・・・宗介さんのことが・・・好き・・・っっ・・・!!」
「・・・・・・」
「・・・大好き・・・っ・・・」
「ああ・・・知ってる」
・・・嘘だ。本当は不安で不安で仕方なかった。今更こんなこと言ったってどうにもならないんじゃないか、ヒカリの心はもうどっか他に行っちまってるんじゃないかって。
でも・・・よかった。