第25章 見つけられたもの
・・・やっと見つけることができた。
リレーを泳ぐ意味も、仲間の大切さも俺は今までわかっていなかった。でもやっと今日、凛、似鳥、御子柴とリレーを泳ぐことができて、わかった。大切なものを見つけることができた。
肩はまだ少し痛むけれど、こいつらが俺のすぐ側で笑ってくれているだけで、そんなことはどうでもよくなった。
・・・心残りはあとたったひとつ。でも、それは俺が頑張ったところでどうにかなることじゃない。俺がどう足掻いたって、あいつにもう気持ちがなければどうにもならない。だけど、あいつは今朝言ってくれた、『見てる』って。
今はその言葉を信じて、ただ待つしかない。