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いちご☆恋模様

第24章 地方大会・リレー


しばらくして、遙先輩を連れてみんなが戻ってきてくれた。一安心したけれど、やはり遙先輩はいつもと少し違う表情をしていた。

「江、ヒカリ。お前達にも心配かけたな。大丈夫だ。俺はこのチームでリレーを泳ぐためにここまで来たんだから」

どこか元気のなさそうな遙先輩が心配だったけれど、今はその言葉を信じるしかなかった。



それから、ブレ、バッタと続いていく。バッタではまず凛さんが圧倒的な泳ぎを見せて観客を沸かせていた。だけど、渚先輩、怜先輩の泳ぎは決勝に進出できるタイムには届かなかった。自己ベストも出ているし、とてもいい泳ぎができているのに・・・改めて地方大会のレベルは、私が考えているよりもずっと高いんだと思い知る。


そして心配なことがまたひとつ。いつの間にか遙先輩が姿を消してしまっていた。

「大丈夫、俺が探してくるよ。心配しないで待ってて」

そう言って真琴先輩が席を立ち、遙先輩を探しに行く。

「江先輩・・・あの・・・大丈夫ですよね?」

遙先輩の言葉を信じていないわけじゃないけど、やはり不安で隣りの江先輩にすがるように聞いてしまった。

「大丈夫。さっき遙先輩も言ってたし、ヒカリちゃんだって、みんながリレーにかけてきたこと、側で見てたから知ってるよね?だから今はみんなを信じよう」
「・・・はい」

江先輩の力強い言葉に頷く。・・・そうだ、私は昨日決めたんだ。みんなの気持ちに応えるんだって。リレーをしっかり見届けるんだって。先輩達がリレーにかけてきたこと、私もよく知ってる。
・・・だからその想いを信じて、今は待とう。
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