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いちご☆恋模様

第24章 地方大会・リレー


時間がやってきて、いよいよ地方大会の会場へと移動する。なんとなく、周りにいる選手達がみんなすごい選手のように見えてきてしまう。でも、実際にみんなうちのように県大会を勝ち抜いてきた選手ばかりだから、速いのだろう。少しずつ緊張が高まっていく。


観客席にみんなで座って、プールを見渡す。やっぱり県大会の時と違う。屋内だし、綺麗だし、何より熱気が違う気がする。どうしたってドキドキはしてしまうけど、それをなるべく表に出さないように江先輩達とみんなを送り出す。

「みなさん、頑張ってきてください!!」

「それじゃあ、それぞれのベストを尽くして、気を引き締めて行こう!」

遙先輩、真琴先輩、渚先輩、怜先輩の4人で手を重ね合わせて気合を入れる。



まず最初は真琴先輩のバックからだ。観客席のみんなで声を合わせて、声援を送る。真琴先輩も頑張っている。いつも通りの泳ぎができていると思う。だけど・・・結果は4位。決勝に残ることはできなかった。県大会とではやっぱりレベルが違うんだということを痛感する。



続いてはフリーの試合。まずは凛さんから。ずっとすごいとは思ってきたけど、県大会でもやっぱり凛さんはすごかった。他の選手をまったく寄せ付けない泳ぎで堂々の1位。決勝出場レベルの記録を出してしまった。

「すごいすごい!お兄ちゃん!!」

隣でとても嬉しそうな江先輩を見て、私も嬉しくなった。


そして次はいよいよ遙先輩のフリーだ。遙先輩は凛さんと同じ、いやそれに負けないぐらい速い。だから絶対に大丈夫、とみんなが思っていた。だけど・・・なぜかレースの途中で遙先輩は立ち上がってしまった。

「ど、どうしちゃったんでしょう?遙先輩・・・」
「とにかく俺、行ってくる!」
「僕も!」
「僕も行きます!」

真琴先輩と渚先輩、怜先輩が更衣室へ向かって駆け出す。

「江先輩・・・」
「・・・大丈夫。信じて待とう」

江先輩と祈るようにして、みんなが帰ってくるのを待つ。
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