• テキストサイズ

いちご☆恋模様

第23章 地方大会当日朝・伝える


「なになに?!何の話してるの?」
「ああ、あのね・・・ちょ!渚も怜もすんごい山盛りだけど食べきれるの?!」
「僕はよゆー!!」
「いや、僕はやめて下さいって言ったんですが、皆さんが・・・」

その後は渚先輩達もテーブルに戻ってきて、賑やかで楽しい朝食になった。





朝食を終えた私達は、一旦部屋に戻ることになった。だいぶ早い時間に来たからか、私達がレストランを出る頃にようやく他の宿泊客が来て混み始めているところだった。



「・・・あ!私、上着忘れてきちゃいました!取ってくるので先行っててください」
「うん、わかった。先、部屋行ってるねー」

江先輩に断りを入れると、私は急いでレストランに戻った。さっき座っていた席に戻ると、まだそこに人は座っていなくて、私が忘れた上着がそのままの状態であった。ホッとして、上着を手にとる。


「お前ら騒ぐんじゃねえぞ。あんま長居すると迷惑だからな、手早く済ませろよ」


聞き覚えのある声の方に目をやると、凛さんがいた。その周りに鮫柄の人達もたくさん集まっていた。

(宗介さん・・・は来てないのかな・・・)

キョロキョロと辺りを見回してみたけど、宗介さんの姿は見当たらなかった。

少しだけ残念な気持ちと、少しだけホッとした気持ちで、私はレストランの出口に向かった。もし、宗介さんにまた会えたら、『今日のリレーちゃんと見ます』ということを伝えたかった。でも、改めて・・・というのもやっぱり恥ずかしいからこれでよかったのかもしれない。わざわざ言わなくったって、リレーをちゃんと見届けることにかわりはないんだから。


「よーし!今日は頑張ろう!」


頑張るのは私じゃないんだけど、自分の気持ちが固まったことで、なんだか謎のやる気が湧いてきてしまって、私は小走りになった。それがいけなかったんだと思う。レストランの出口のところで、向こうから人が来た、と思った時には私はその人の身体に思い切りぶつかってしまい、反動で尻もちをついてしまっていた。
/ 139ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp