第3章 息もできないぐらいに
「あ、お疲れ様です」
「おう、お疲れ・・・あ、お前・・・」
少し歩くと、江先輩と同じ髪の色をした男の人に出会った。この人は確か・・・
「岩鳶1年の長島ヒカリです。この前、マネージャーとして入部しました。ご挨拶が遅くなってすいません」
「おう。俺は鮫柄3年で部長の松岡凛だ。んで、聞いてると思うけど江の兄貴だ。よろしくな」
そう、この人は江先輩のお兄さんの松岡凛さんだ。この前の時は、忙しそうで挨拶する時間がなかったのだ。江先輩がいつも自慢そうに話すだけあって、とても素敵な人だと思う。筋肉のことは正直よくわからないけど、とっても気さくで爽やかだし・・・どこかの誰かとは大違いだ。
「もう慣れたか?」
「あ、はい、少しずつですけど。江先輩にも色々教えてもらってます」
さすが部長を任せられるだけあって、話しやすい雰囲気にしてくれるなあと思う。この人にだったら聞いてもいいかもしれない。