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いちご☆恋模様

第22章 地方大会前夜・決意


「だ、だめだ!こんな暗いことばかり考えてちゃ!」

私はベッドから身体を起こした。明日はいよいよ本番なのに、こんなことばかり考えてたらダメだ。

「よし、ちょっと飲み物でも買ってこよう」

少し部屋の外に出たら気分も変わるかもしれない。私は財布を手にとって、シャワールームの江先輩に声をかけた。

「江先輩、私ちょっと飲み物買いに行ってきますね。江先輩も何かいりますか?」
『あ、それじゃあお茶買ってきてもらってもいい?』
「はい、わかりました」 
『ありがと!後でお金渡すね』



確かエレベーターの近くに自販機があったはず・・・とホテルの廊下を歩く。

「あった。何にしようかなあ・・・」

自販機を前に少し考える。

・・・そういえば、この前いっしょにファミレスに入った時、宗介さんコーラを飲んでたっけ・・・確かおかわりもしてたような・・・宗介さん、コーラ好きなのかな・・・よし、普段はあまり飲まないけど今日はコーラにしてみよう。

お金を入れて、コーラのボタンを押そうとする。でも・・・

「げ、売り切れ・・・」

他の物は大丈夫なのに、なぜかコーラだけが売り切れになっていた。
他の物にするか、それとも・・・

「よし、他の階に行こう」

ここまで来たらコーラを買いたい。他の階はどうかわからないけど、受付をしている時に自販機がちらっと見えたような気がする。私はエレベーターで1階まで行くことにした。




「あ・・・あった、あった」

受付から少し離れた所に自販機はあった。遅めの時間だからか、ロビーには人はいなかった。

「まずはお茶、と・・・・・・あった、コーラ」

江先輩のお茶を買ってから、次にコーラのボタンを押す。無事にコーラを買うことができた。
さあ、部屋に戻ろうかな、そう思って自販機から少し離れた時だった。



「げ、売り切れかよ・・・」



耳に入ってきた聞き覚えのある声に、思わず立ち止まって振り返ると、そこには宗介さんがいた。

「・・・」
「・・・・・・ヒカリ」

宗介さんも私に気付いた。宗介さんもコーラを買おうとしていたみたいだったけど、ちょうど私が買ったところで売り切れになってしまったようだった。
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