第22章 地方大会前夜・決意
「なんだよ、お前らもおんなじホテルか」
凛さんがそう言って、みんなそれぞれに言葉を交わしたりする。
「そういえば宗介くん、この前うちの近くの駅にいたでしょ?何してたの?」
「あ、いや・・・」
江先輩の質問に、宗介さんは答えづらそうに言葉を濁していた。なんとなくだけれど・・・また少し嫌な予感がする。
結局その後は、江先輩に猛アピールし出した百太郎くんを凛さんが引きずって行って、他の鮫柄の人達もそれに付いて行く形になった。
宗介さんは結局、質問にははっきりと答えないまま、行ってしまった。私はその背中をただ見つめることしかできなかった。
ホテルの外で夕飯をとって、みんなでまたホテルに戻ってきた。やっぱり食欲がわかなくて、いつもより食べないでいたら先輩達に心配されて、結構無理やり食べてしまった。だから、お腹がかなり苦しい。江先輩に先にシャワーを浴びてもらって、私は少しベッドに横になることにした。
こんな時にぼんやり考えてしまうのはやっぱり宗介さんのことだ。
あの雷の日以来、私は決めたことがある。
それは・・・もう一度宗介さんに、『好き』ってちゃんと伝えること。だって・・・どうやったって、この気持ちは消せない。それよりも、雷の時に宗介さんがずっと側にいてくれたことで、より気持ちが強くなった気がする。私は宗介さんが好き。なんでこんなに好きなのか、そんなことはわからない。一回フッたのにしつこいって思われるかもしれない。それでも伝えたい。宗介さんが大好きだってことを・・・・・・
でも・・・さっきみたいに先輩の後ろに隠れてしまうようじゃ、もう一度なんて難しいかもしれない。告白するなら、きちんと宗介さんの目を見て伝えたい。でも・・・
「うぅ〜〜・・・無理、かなぁ・・・」
ボフッと枕に顔を埋める。
それに心配なのはそれだけじゃない。宗介さんの肩のことだって、まだはっきりしたことは何もわかっていない。でもここに来ているってことは泳ぐということだろう。個人には出ていなかったから、今度もまたリレーで。なんとなく・・・さっきの宗介さんの様子から、まだよくなっていないような、そんな予感がする。ただの予感で、実はもう完治してます、だったらいいんだけど、そんな都合よくいかないこともわかってる。