第20章 県大会二日目・確信
「ま、待ってくださ・・・きゃっ!」
宗介さんの後を追おうとする私。でも、すぐ側にあった段差に気付かずに躓いてしまった。
「・・・危ねえ!・・・・・・っっう!!!」
転ぶ、そう思ったけれど、私の身体は宗介さんの腕に支えられていた。だけど、ホッとする間もなく、次の瞬間には宗介さんが右肩を押さえて苦しそうに顔を歪めていた。
「え?!そ、宗介さん?!ど、どうしたんですか?!」
「・・・なん・・・でもねえ・・・」
何でもないわけがない。だって、宗介さんこんなにも苦しそうだ。まだ右肩を押さえている。
「・・・肩・・・」
「・・・」
「・・・怪我、してるんですか?」
「・・・違う」
・・・嘘だ。だってもう肩を押さえてる姿が、そうだって言ってる。でも・・・こんなにも痛そうにしているなんて、どうしたらいいんだろう。
・・・もうこれは私一人だけでどうこうできることじゃない。
「・・・私、凛さん呼んできます!」
誰かに知らせないといけない、その時はそれが最善だと思って、私は宗介さんの側を通って、再び会場に戻ろうとした。
「呼ぶな!!」
宗介さんの声が辺りに響き渡った。その場で私は凍りついたように動けなくなってしまう。
「凛にだけは絶対に言うな!!!」
もう一度、さっきよりも強い口調で宗介さんが言った。あまりに大きな声と迫力に、身体が動かない。