第1章 最後の時
激痛がサラの身体を突き抜ける。
声にならない叫びが、口から漏れた。
巨人にそうするように。
刃をひと振りして断ち切れたら、どんなに楽だろう。
あんなに練習したのに。
こんな態勢じゃ、振りかぶる事も出来ない。
それでも……
涙で視界が歪む
痛い、というより熱い
焼けるように……
熱い
やがて、力の抜けた掌からブレードが滑り落ちた。
カシャンっと金属音を響かせ、血溜まりへ沈む。
サラは、地を這うように瓦礫の向こう側を目指す。
自らの荒い呼吸と、脈打つ心臓が異様にうるさい。
もう少し、もう少しで外……
「あ……」
やっとの思いで瓦礫の外に顔を出した時、50メートル程離れた位置に巨人の姿を捉えた。
大きさは、恐らく4~5m級。
少し離れてはいるけれど、間違いなく
……目が合った