第6章 6
「すみません。うちの秋岡が。あいつベタベタしすぎっすよね。キツく言っておきます」
リーダーにそう言われたがそれを断る
「いや、いーのよ。なんか楽しそうだし。…それより。うちの犬がそんな事言わせちゃってごめんね?こっちこそちゃんと躾できてないのよ」
フフッ。と思わず笑いながら2人を見ると
椅子に仲良く並んで座りながらスマホをいじってて
多分今日行くご飯のメニューでも見ているのだろうか
「犬?………あ、秋岡のことか!二宮家のペットになれた!とか意味不明な卑猥な発言してたんでまじでびっくりしてたんですよ!」
みんなでゲラゲラ笑う始末
そんな会話なんてあの2人は全く聞こえてなくて
秋ちゃんと目が合うと
ブンブン両手を振って満面の笑顔を向けてくるあたり
やっぱりあいつは犬だと思った
「んじゃ、先に出るね。今日はよろしく」
軽く手を振り喫煙室から出る
「そいえば悠くんは今夜の予定は?」
「ないっす!」
「んじゃ一緒に飯食いにいく?」
え?いいんすか?と嬉しそうなので思わず笑いながら
「だって由梨の大事な後輩なんだから。俺からも労わせてよ」
肩にぽん。と手を置くと
「やばいっす。イケメンすぎます」
何故か感動する悠くんはやっぱり面白くて
「多分あの2人と合流することになるから」
そう言って秋ちゃんと由梨がいる方を見た
個室居酒屋
「ほらね。やっぱり」
「あ!和さん!お疲れ様でした!」
結局一緒に行くなんて言ってないのに
鉢合わせちゃうんだよね
「まじで行動範囲一緒すぎません?」
秋ちゃんはケラケラ笑いながら隣に悠くんを座らせた
俺は当然のように由梨の隣に座る
「前と全く一緒だ」
悠くんは以前初めて会った時のことを言っているんだろうか
「しょうがないのよ。実はよくあるんだよこれ。」
「そうですね。確かに」
あ、とは思うけどもうびっくりはしない