第5章 5
「え?由梨が酒でやらかしたことあったっけ?結構ちゃんと考えて普段から飲まない?」
そう言われていつの間にかヘッドホンを外してた和さんが、クフフっ。と吹き出した
「由梨、墓穴掘ったね」
みるみる恥ずかしくなり両手で顔を隠す
しまった
これ知ってるの和さんと楓さんだけだった
「うぅー。もう何も言わないで」
「なんだよめっちゃ気になる!和さん教えて下さいよ!」
「えー。どうでしょう。どうします?」
覗き込んでくる和さんは何だか嬉しそうで
「だめ。絶対ダメです」
「クフフっ。…だって。秋ちゃん。ごめんね。これ以上言っちゃうとまた由梨断酒はじめちゃうから」
それだと困るでしょ?貴方も。と言ってさっき置いておいたグラスのお酒を飲み始める和さん
「確かに。由梨が断酒したら困りますね。………んで?話戻すけど、そっか。その飯?食いに行ってからなの?てことはそこでいつものやっちゃった感じかな?」
いつもの。っていうのは私のドジ?の事で
「その日はすぐ和さんと合流したからないと思うんだよね。」
「そうね。特になにもやらかしてなかったよ。…鉢合わせた時の顔も面白かったけど俺の方向いてたから見られてないし」
「つかそんな事あるの?夫婦で別々に同じ店行くとか」
ケラケラと笑うたいちゃん
「野外の行動範囲ほとんど一緒だから」
ね?と言って頭にぽんぽんと撫でる様に手を乗せる和さん
「あ!俺わかったかも!」
「え?」
「和さんと由梨のラブラブ加減に当てられたんじゃねーの?」
ニヤニヤと謎な事を言い出すたいちゃん