第5章 5
いつかの夜
「あーあ。こんなとこで」
リビングの床で丸くなって気持ち良さそうに眠るたいちゃん
それを見て布団を引っ張り出しかけてあげた
「もう明日はここから出勤ですかね」
「何度目よそれ」
ちょっと呆れ顔だけど別にあんまり気にしてない和さんは後片付けを一緒にしてくれた
「あの人………いやあの犬のマネージャーに連絡してやんなきゃ」
「え?…たいちゃんのことですか?」
犬って。と思わず笑ってしまう
「だって。なんか夫が保護したらすごい嫁派になっちゃったみたいな」
あながち間違ってはいない
「それじゃあ本当にペットじゃないですか」
「まぁ、結婚してちょっとは経ったし?ペットを迎えてもいいよね。新しい風として」
もうペットの話なのかたいちゃんの話なのかわからなくなったようなそんな記憶
そして現在
その話をするとたいちゃんはゲラゲラ笑いだす
「えー!光栄だなぁ!二宮家の飼い犬なんて!」
今度バラエティで使おう。と残りのビールをぐいっと飲み干して新しい物を頼むたいちゃん
「そんなかんじだから私達は何もないの。あとたいちゃんと私を引き寄せたのも和さんだしね」
「えっそうなんすか?………俺てっきり見てはいけないもの見たかと……」
「何この子面白い」
ぷぷっ。と笑うたいちゃん。和さんと同じこと言ってる。
「あ、そっか。和さんに会ったことあるってことは2人の会話聞いて勘違いしたんじゃない?、、ほら、由梨和さんに敬語だろ?」
そう言って頬杖つくたいちゃんに、なるほど!と言った
「確かに!そうでした!二宮さんと由梨さん、、つか由梨さんが丁寧な言葉で話してたので」
「あれね。俺も最初びっくりしたんだけど。もう癖みたいなもんだよな?」
直んねーの。と自分のことの様に言うたいちゃん。
実際無理だから何も言えない