第5章 5
「そっか。……どうしようかな。本人に直接聞きたかったんだけど。……でも、それが理由で悠くんと光ちゃんが揉めるのも違うと思うから。悠くんは光ちゃんに普通に接してね?この業界の方々ってとても気持ちに敏感な方が多いから。私たちヘアメイクが一番近くで触れ合うでしょ?勘付かれるのも時間の問題だし私たちは私たちで解決する事だから」
実際に空さんにバレてしまっている手前放置なんてとんでもない
出来れば早急に解決したかったが本人に直接聞けない手前何も解決策はなかった
「そうっすよね。…すみません。なんか俺までいてもたってもいられなくて」
「うん。わかってくれたなら良かった!…よしっ!とりあえず美味しい物食べて飲もう!悠くん何食べたい?」
メニューを広げてあれやこれやを頼む
そんなこんなしてる時に突然スマホから着信の知らせが
「あ、ごめんね?ちょっと電話出るね」
「お疲れ様!どうしたの?」
「お!おつかれー!今……仕事じゃなさそう。どこで飲んでる?参加可能?」
そう聞かれてチラッと悠くんを見る
「悠くん。今から1人友達が来ても大丈夫?」
「え!全然いいっすよ!つか頼みすぎちゃってるし是非!」
テーブルに並ぶ皿を見てそう言う悠くん
確かに。
美味しそー!とか盛り上がってしまいうっかり頼みすぎた、主に私が
「ありがとう。じゃあ呼んじゃうね」
そして着信相手
たいちゃんが合流した
「おっつかれー!!…あ!悠くんだっけ?秋岡大地です!」
私の隣にドカッと座って目深に被ったキャップを外しジャケットを脱ぐのでそれをもらいハンガーにかける
「とりあえず生でしょ?頼んどいたよ」
「さすがー!」
そのタイミングで店員さんがビールを運んできたので3人で乾杯する