第5章 5
ある日空さんにこんな事を言われた
「ねぇ。由梨。俺ちょっと気になっちゃったんだけど」
「なんですか?」
そう聞くとチラッと周りを見て誰もいないかを確認するのでさりげなく開いていた扉を閉めて鍵をかけた
「……あの2人って大丈夫そう?」
「2人?………あ、悠くんと光ちゃん?」
「そう。なんか帰りに外で揉めてるの見て。あと、光ちゃん?なんか由梨に対しての態度がちょっと」
そうなのだ
実はあの居酒屋以降光ちゃんは何となく距離が出来てしまい、、怒っている?様な
悠くんはそれに対して思うことがあるのか2人の間も少しギクシャクしている
「空さんにまで伝わってしまいすみません。指導不足ですね…しっかりしなきゃ」
「いや、由梨に落ち度はないと思うけど。ちゃんと楓さんの系譜受け継いでるなって思うよ。指示的確だし言わなきゃいけない時ははっきり言うし」
空さんにそんな事言われて嬉しくて思わずニヤける頬を両手で隠した
「出てる出てる。オフの由梨が出てるよ」
ケラケラと笑う空さん
「ごめんなさい。……でもどうにかしなきゃ。」
その日悠くんと光ちゃんを食事に誘った
けどやっぱり光ちゃんは来てくれなくて
「由梨さん。ほんとすみません」
個室居酒屋に入るなり急に謝る悠くん
「悠くんなにも悪いことしてないよ?もちろん光ちゃんもね?」
「いや……あいつ態度悪いですよ。それで今日も誘ってくれたんじゃないっすか?」
悠くんは困り顔でそんな事を言う
「うーん。ちょっと心配で。何かあったかなって。……でも相性もあるだろうしもし光ちゃんが私とは合わないと思うなら別の方のアシスタントにお願いも出来るのだけど」
「そんな!!あんな態度の奴にやめてください!なんなんだよ。あいつ。今日だって来ねーし」
苛立つ悠くんを宥めるためにお酒を頼む
きたお酒で軽く乾杯してから切り出した
「悠くんは光ちゃんのことよくわからないんだよね?」
「はい。理由聞いたんですけど何も話してくれなくて」
頭をガシガシ掻いてそう言う悠くん