第5章 5
そんな会話にお酒とは違った熱を持っているのがわかる
「ンフフ。確かに。翔さんとは初か。…ダメよ由梨。そんな顔してちゃいじられキャラだってバレちゃうよ?」
ニヤニヤとそう言われて思わず立ち上がりキッチンに逃げ込もうしたら
「ひゃっ」
「おっと」
また何もないところでずっこけて和さんの膝にすっぽりおさまる
「ナイスキャッチ」
日常すぎて何も感情がこもってないたいちゃん
「キャリーケースの時も思ったけど。ニノが言ってるのが確信にかわったわ」
爆笑しながらそう言う櫻井さん
「えっ!和さん何か言ってるんですか?」
恥ずかしいけどそんな事より和さんを見上げる
「え?そりゃあね。うちの嫁の良いトコロはちゃんと言わなきゃね」
そうでしょ?とニヤつく和さんの上からそっと降りる
「良いトコロ?」
「そう、良いトコロ」
「恥ずかしい事じゃないなら良かったです。…和さんに褒めてもらえてるなら嬉しい」
和さんは吹き出しながらも、そうそう。褒めてるのよ。と言うのでホッとした
「ンハハハッ。…おいニノ。大丈夫なの?」
「櫻井くん。何も言っちゃダメです。これも日常なんですよ。この2人」
2人の会話がよくわからないけど和さんは、フフッ。と笑って嬉しそうにしていた
「あー。飲んだね」
2人が帰って寝る支度を済ませるとベッドでうつ伏せに寝転んでいるその上にのしかかってくる和さん
不思議と重さは感じない
「今日は和さんの方が飲んでましたね」
くるっと仰向けになりギュッと抱きつくと自然に抱きしめ返してくれる
「日本酒が美味しすぎた」
「あれ美味しかったですね。また買っておきましょ」
「由梨のつまみもね。いつも有り難う」
抱きしめながら横にずれるので布団を手繰り寄せて和さんに掛けてあげる
「お粗末さまでした。みんなで楽しかったです。また是非やりましょうね」
「そうねー。片付けは大変だけど。たまにはいいかな?俺は2人でも楽しいよ」
私もです。と返すと、フフッ。と笑いながら擦り寄ると
「多分俺酒臭いけど、キスしていい?」
「私もお酒の匂いしますよ?だから一緒です」
そっと触れるキスを何度もされる
お酒の影響もあってか
ふわふわする
「フフッ。眠くて限界かも」
同じ事を思っていたからそのまま目を閉じた