第1章 1
「いやいや。笑ってないで説明してよ。」
通りで今日の由梨静か過ぎるなとおもったわ。と続けるのでフフッ。と笑った
そしてキャリーケースを玄関から引き上げてきてことの説明をすると、やっぱねー。と言い出す和さん
「絶対もう駄目だと思ったのよ。だから言ったじゃない」
多分その場を想像してなのか。思い切り吹き出しながらそう言う和さんに、そうですよね。すみません。助言を聞かずに。と言うと一緒になって笑う櫻井さん
「あー。でも翔さんありがと。救出してくれて。」
おう。と和さんの言葉に返事をして立ち上がる
「んじゃ。俺帰るわ」
玄関まで送り深々頭を下げる
「本当にありがとうございます。今度是非お礼させて下さい!」
私がそう言うと、お礼もらっといてよ。とふざけて言う和さん
「そーねー。そしたら今度飯食いにくるよ!ニノよく由梨ちゃんの作るつまみ美味いって言ってるし」
どーぞどーぞ。と何故か和さんが返事をすると櫻井さんは帰って行った
そして櫻井さんが帰ると、さてと。と言いキーケースを持って玄関に向かう和さん。
「明日必要でしょ?キャリーケース。買いに行きますよ。」
ついでに外で飯食うかー。と言いながら先に出てしまうので慌てて追いかける。
「んでさ。転けたってさっき言ってたけど怪我はしてないの?」
エレベーターに乗り込みそう言う和さんに、はい、多分。と返すと、なら良かった。と言う
そして車に乗り込みタバコに火をつけ咥えながら運転をしはじめる和さん
私は後部座席に乗る。
結婚当初は、いい加減隣座ったら?と言われていたが今や和さんが運転席で後部座席に私なのは当たり前になっている。
たまに私が運転する時は逆になるのだけれど。
「和さん。…こんな所入って大丈夫なんですか?」
和さんが連れてきてくれた所は所謂大型ディスカウントストアで所狭しと色んな物が置いてある。
要するにバレても逃げ場が少なくて。
こういう所は和さんと来るのは初めてで少し戸惑った
「だってこの時間で売ってる場所って言ったらこういう所しか知らないよ?俺」
そう言ってとりあえずのマスクをして店内に向かう和さん