第1章 1
「いや、ニノ人の事言えないよね?色々と。」
櫻井さんは和さんの私物を思い返したのか、はははっと笑いながらそう言うので、ですよね。と笑った
そして櫻井さんは今日の仕事中の和さんや楓さんと明日一緒だとか色々話してくれて尽きる事はなかった。
マンションの近くに着くと近くのコインパーキングに車を停めてキャリーケースを運んでくれる櫻井さん
自分で運ぶと言うと、これ結構重いしまた転けたら大変だろ?と言うので優しさに甘えることにした。
「そういえば。ニノに言ったの?俺いること」
マンションのエレベーターに乗り込みそう言う櫻井さんの言葉に、あっ。と言ってなかったことを思い出す
「ちょっと。驚かすか。」
ニヤッと笑い、ちょっとだけ上がっても大丈夫?と言うので、はい。と答えると少し楽しそうにしていた。
「そもそも。いるかわからないです。」
私がそう言うと、あ、それ本当なんだ。と驚く櫻井さん
「本当に自由人だよね。二人共。ニノもよく言ってんもんな。嫁が今日何してるかわかんないって。」
言っているのを想像してしまい、フフッと笑う。
そんな話をしていると既に扉の目の前で鍵を開ける
そしてそぅっと音が鳴らないように開けると玄関には何時も履いている和さんのサンダルが置いてあったのでそれを見て櫻井さんはすごく嬉しそうにしていた。
櫻井さんがジェスチャーで先に行ってとするので先に進みいつも通りリビングの扉を開けるとソファでゲームをしながらこっちを見ずに、お帰りー。と言う和さん
「ただいまです。」
いつも通り返事をするがこっちを見ない和さんは何時もとは違う状況に気がつかない。
私の背後には櫻井さんがいるのに。
全然見向きもしない和さん。
どうしようと櫻井さんに向き直ると笑いを堪えて手で口を押さえている。
そしてまたジェスチャーで何かを伝えようとする櫻井さん
ん?
これは多分。
ハグしろ?
両手を前に持ってきてコアラの様なポーズをするので、うんうん。と頷き和さんの背後に行く
そしてソファ越しにそっと抱きしめてみた
「ん〜?どした?…て、え!!いや、なんで?!」
背後から抱きつく私に向き直ろうとしたら更に背後にいる櫻井さんに気づき驚く和さん
そしてヒィヒィ笑う櫻井さん。