第3章 3
「由梨さんよく来られるんですか?」
光ちゃんにそう聞かれたのは改めて頼んだ料理にちょっとばかしのと言ってメニュー外の料理のサービスが来たから
「へっ?…….あぁ。旦那さんと」
顔が熱くなるのがわかる
あんまりこうやって和さんの話はした事がなかった
「えっ!!あそっか!ご結婚されてたんすね!」
指輪をチラと見て言う悠くん
「うん。そうなの。…あの、その内知るだろうから先に言っちゃおうかな。わた(コンコン)、、はい」
言いかけたところで店員さんが戸を開け料理を運んできた
「お待たせしました。あら?お連れ様こちらじゃ……」
そう言って振り向いた先に
「「あっ…」」
和さんがいて思わずハモる
「大変失礼致しました。てっきり奥様とご一緒なのかと」
焦る店員さんはここで働き始めてまだ日が浅くて
私たちの事は知っていたから和さんが来店してそのまま私のところに連れてきてしまったのだろう
「クフフっ。全然大丈夫よ。…ただちょっと面白いな」
吹き出して肩を震わせる和さん
「そ、そんな謝らないで下さい!誰だって勘違いしますから!」
必死に宥めているのに和さんは笑うばかりで
その時ちょっと離れたところから和さんを呼ぶ声がした
「あー。わかったわかった。後から行くからちょっと待ってて……てことでこっちの卓の会計あっちにつけていいからここ一瞬座っていい?」
「え、やだ。そんな事しないでください」
私の隣にずいっと座る和さんにそう言うと、そう?じゃ、遠慮なくすみません!生下さい!と焦る店員さんにビールを頼む和さん