第3章 3
楓さんの激励に、はいっ!と答える2人の目はキラキラして輝いて見えた。
「どうだったの?アシの子達」
あの後そこそこ楓さんに飲まされホロ酔いで帰ると既に和さんが帰ってて。
ベッドでいつも通り2人で横になっているとそう聞かれた。
楓さんと飲んだなんて言ってないのにそんな事を聞く和さんに少し驚きながらも、良い子だと思います。と言うと、ふふっ。と笑っていた
「楓ちゃんから聞いたのよ。今日アシの子をダシにして由梨と飲むって」
なんだそれと思いつつ、アハハっ。吹き出すと和さんもンフフッ。と笑っていた。
「別にアシの子居なくても飲むに。」
「そうよね。ウチに来てくれても構わないし。」
和さんが言った言葉で、そういえば。とある事を思い出した。
「そういえば。櫻井さんはいつ頃予定空いてますかね。」
「ん?…あー。飯?そっか。忘れてた。明日聞いとくよ」
よろしくお願いします。と言うと、んー。と力の抜け切った返事が返ってきた。
そして次の日の仕事中。
知らない連絡先からメールが届いた。
相手は櫻井さんで。
由梨ちゃん久しぶり。
ニノから連絡先聞いたよ。
あの時冗談で言ったつもりだったんだけどご馳走してくれるなら是非お願いします。
空いてる日だけど………
しっかりと長めなメールが来ていて思わず笑ってしまった。
なんとも櫻井さんらしい。
そして私の予定をざっくり送り合わせられそうな日にちを決めた。
櫻井さんとの予定の日までの間にやっつけなければいけない仕事があった。
まずはドラマの初顔合わせ。
ここには悠くんと光ちゃんも初めての現場なので私もドキドキしてしまった
「なんで由梨が緊張してんだよ。」
笑いながらもそう空さんに小突かれて思わず苦笑いをしてしまう。
そして緊張している2人に向き直り笑いかけた
「大丈夫だからね。ちゃんと挨拶できればとりあえずは。」
私がそう言うと、はい。と頷く2人にクスッ。と笑った
顔合わせは滞りなく終わって。
主役のメイクだからとメイクの代表になってしまったけれどやり甲斐はとてもある。
顔合わせ後に2人を連れて夜ご飯件飲みに出かけた。