第3章 3
「そう。それなんだけどね。思ったんだけど、ドラマから付けるのはどう?アシスタント」
そう言っていくつか履歴書らしき紙を取り出した
「志望者は全部で2人。男の子と女の子ね。学生上がりだからまだまだだけど動きは良いんじゃないかな。他の現場で見た感じにはやる気はありそうよ。」
確かに。ドラマから付いてくれた方が長い間一緒にいれるし中々良い案だ
「そうですね。…そしたらドラマの顔合わせ前に私も一度会いたいです。」
「OK。そしたら夜にでも連絡して出来るだけ早めに予定立てるわ」
そう言って手帳とにらめっこする楓さん
「ドラマからアシスタント?…別に良いんじゃない?」
楓さんと別れて現場に戻り空さんに相談という形の結果報告をするとすんなり受け入れる空さん
「それより、楓さん決まったの?初めての男」
へっ?!と返すとアハハッ。と笑う空さん
「気になっちゃうよなー。誰かな。俺の知ってる人なら色々聞きたい」
そう言いのける空さんは恐ろしくニヤニヤ顔で。
「そうですね。空さんも候補に入れてみてはどうでしょう」
悪ノリしてそう言うと、えっ。…いや遠慮しとく。と考え込む
「いや、だって駄目でしょ。楓さんとエッチなんてしたら全ての精力持っていかれそう」
空さんがそんな事を言うのでお茶を飲んでいたマネージャーがぶっ。と少し吹き出したので思わず笑ってしまった
それから数日後の仕事帰り。
楓さんに指定された居酒屋に行くと既に楓さんとアシスタントになる2人が待っていた。
遅れましたっ。と頭を下げると、良いから。良いから。といつも通りにあしらわれたので楓さんの隣に座る
「紹介するわね。こっちが鈴木悠くん(すずき ゆう)。そしてこちらが小野田光ちゃん(おのだ ひかり)。」
「そしてこちらがヘアメイクアーティストの由梨よ」
和さんと結婚してからは苗字は名乗らず名前表記にしてもらっているのでそう紹介された
2人に同時に、よろしくお願い致します。と頭を下げられたので、いやいや!こちらこそよろしくお願い致します!と立ち上がり更に頭を下げた
「2人共!良いわね?貴方達ヘアメイクとしてはまだまだだけど、大人の世界に入るのよ。此れからは目で覚えていくことばっかりだから。せっかくスタートがドラマなんだからチャンス掴みなさいよ」