第3章 3
「もうすぐ結婚すんだとか言ってたよ?あの人」
えっ!と反応する私に、ヘヘェ。実は。と言い出すあい。
「そうそう!結婚すんだよ。あい。な?」
ニコニコ笑ってそう言う涼くん。
「いや、なんであんたが言うのよ。」
えっ?なんで?とさも当たり前の様に言う涼くん。
その光景はどう見ても2人が結婚するかの様で思わず笑うと和さんもクフフッ。と吹き出していた
「フフッ。…面白いね。2人とも。由梨の友達初めて会ったけどキャラ濃いな」
そんな事を言うので、そうですか?と答えながらも確かに初めてかもしれないと思った。
そしてそれと同時に友達の少なさに愕然とする
はぁ。と小さなため息をつくとフフッ。と笑う和さん
「大丈夫よ。俺もいないから。友達。」
似た者同士で良いじゃない。とニヤッとするのでまぁいっか。と言う気分になった。
「由梨ー!!今度絶対お茶しに行こうねっ!!」
あの後面白おかしくいろんな話をして帰ろうとタクシーに乗り込むとちょっと離れたところで大声で叫ぶあい。
それに2人で吹き出し、はぁーい!と元気よく返事をして別れを告げた
タクシーが発進して、ふぅ。と息を吐き背もたれに身を任せチラッと隣にいる和さんを見るとふんふーん。と鼻歌を歌っていて上機嫌だった。
「あいちゃん。中々面白いね。あと涼?あいつは輝より大人だわ」
何を見てそう思ったのかわからないが確かに涼くんは輝さんより落ち着いた雰囲気を持っている
そしてその2人を気に入ってくれたのはなんとなくわかった
結婚祝い渡さないとなー。と言うので、そうですね。と返した。
「へぇー。同窓会?…私なんて呼ばれても行けないわよ」
そう言ってグラスに入ったマドラーをカラカラする楓さん
今日は仕事に中空きがありランチ兼女子会を開いている
「えー。楓さんなら女性の姿でも全然皆さん喜んでもらえますよ!」
想像しながらそう言うと、馬鹿ね。と笑う
「そういえば、ドラマ入るんだっけ?」
空さんの仕事事情をざっくり送っていたことを思い出し、はい。と答える
「今回主役、主題歌共に空さんなんです。だから楓さんの代わりが出来そうなのはその後なんですが、大丈夫ですか?」