第3章 3
そして私の方に回り込み肩をガシッと掴まれた
「い、痛い、な?」
ちょっとおどけながらも言うが中々離してくれなくて近くに居た涼くんが、おい。どうした?と引き離そうとするが睨みつけて一蹴した
「話。聞かせてー!!…ねぇ!本当に雪乃そらのメイクしてんの?って言うことはさ。あれでしょ!由梨結婚してるよね?」
そして急に捲し立てるように言い出したので若干引き気味になりながらも、はい。してます。と認めると、きゃー!!と黄色い声を発しながらも抱きついてきたので受け止める
皆んなは良く分かってなかったようで、喧嘩ではない事に安堵しながらも私が結婚していたことに驚いていた
「まじか!!神崎結婚したの?あ、もう神崎じゃねぇのか!!」
そんな事で盛り上がる一方あいが未だに抱きついているその子を剥がし私を見る
「なんでよ。…なんで教えてくれないのよ!結婚式くらい何回でも行ったのに!!」
「いや、結婚式ってそんな何回もするもんじゃないでしょ」
突っ込む涼くんをひと睨みして私の左手をそっと取るあい。
そこにすかさずあの子が入り込んできた
「あっ!これが例の指輪?わぁ。凄い高そう!そしておしゃれ!」
さすがだわ〜。と騒ぐその子に苦笑いをする。
何となくこの子がどんな感じか思い出してきた。
学生時代からずっとアイドルが好きで良くアイドル誌を見ていた記憶が蘇る
恐らく空さんの専属と聞いて既にファン内では知れ渡っているらしい情報なので気づいたのだろう。
指輪についても以前嵐さんが出ている番組で櫻井さんがポロッと零した話を知っていたからこんなに興奮しているのだと思った
「なーんで。あんたが色々知ってそうなのよ。」
嫉妬。と続けてジトーっと見るあいに、だって!だって!興奮は冷めやらない。
このままじゃ私が言う前に言われてしまいそうだ。
そう思った時にはもう遅かった
「だって!あの嵐の二宮和也の奥さんが同級生なんて凄くない?」
あーあ。
もう何でも良いやー。
ちょっと投げやりになりながらもアハハ。と乾いた笑いをすると周りがザワザワとしだししまいには質問攻め