第3章 3
あまりの質問攻めにアワアワとしていると救世主のあいがパチンッと大きく手を叩いた
「はい。そこまで!!皆んな由梨の性格わかってるでしょ?今プチパニックになってるから。落ち着きなさいって」
あいの言葉に、あぁ!!ごめん!と素直に謝ってくるみんなに、アハハ。と笑うしかなかった。
この時ほど帰りたいと思った事はないほど。
そして、ちょっとお手洗い。と言ってトイレに逃げ込みはぁ。と鏡越しの自分にため息をついているとあいもトイレに入ってきた
そして化粧直しをしながら、まったくあんたは。とチラッと見るので、ありがとう。とお礼を言う
「そんなんだから北条先輩にも、あ、ごめん。」
言ってはいけない事言ったと罰の悪そうな顔をするので、いーよ。わかってる。と返した
あいは多分気づいてた。
ヒロトがどんな人なのか。
「あい。…私こそごめんね。ずっと連絡できなかった。言われる事分かってたし。あの時の私馬鹿だったよ」
でももう大丈夫だよ。と伝えると急に泣きそうな顔をする
「凄い心配してた。実は今日も指輪に直ぐ気づいたんだけどそれが誰からのものか聞くのも怖くて。…多分それで涼も私の近くにいてくれたんだと思う」
腐れ縁って嫌ね。と笑うあいはちょっと目尻に涙を溜めていてそれを拭ってあげた。
そしてそっと抱きしめた
「私ね。今は凄い幸せなんだ。和さんのお陰で。」
もっとちゃんと話さないといけない。
そう思ってるのに涙が出てきて止まらなかった。
「あんた。…泣きすぎよ」
そんな事を言いながらもあいも泣いていてお互いに泣き笑いをした。
そんな時にコンコン。とドアをノックする音が聞こえた
「おーい。2人とも。大丈夫?」
そう心配してくれてるのは涼くんで。
その声を聞いてクスッと笑うあいはガチャっとドアを開けた
「なに?女子の連れション参加したかった?」
ふざけてそう言うが涼くんは多分私達が泣いていた事に気付いていて。
優しく両手で私たちの頭をポンポンとした
「うーん。連れションも浮気になる?」
ふざけて返す涼くんにアハハっ。と笑うと、あの彼女ならならないわね。と返すあい。
どうやらあいと涼くんは本当に別れていて、お互いの彼氏彼女を知っているらしい。
別れてもこうやって仲良くしていられる関係って良いな。とふと思った。