第3章 3
「ね?やっぱ由梨もおかしいと思うよね?私はこの2人に騙されてるとしか思えないのよ」
反対側に座っていた子が言うので思わず笑うと、ほんとだってば!ねぇー?涼も何か言ってやってよ。と涼くんを見るが涼くんはニコニコしてるだけで余計怪しくなって来た。
そしたらあいが立ち上がり涼くんの両頬をつまみぐいーっと伸ばす
「涼がわざとらしくそういうことするからいらん疑惑をかけられるのよ。ちゃんと大事な人が他に居るんだから。しっかりなさい!」
その口調は昔から変わらなくて。思わず、おぉーっ!と感心して拍手してしまう。
「いや。由梨。見世物じゃないのよ。ほんとだから信用して?私も彼氏いるし。」
この人〜。と言って座り直し携帯を見せてくるあい。
写っていたのはあいとのツーショット写真で。
そしてどっかで見たことある人だった
「あれ。この人どっかで見たことある」
そう言うとあいは、あっ!と何かに気づいたようにする
「そういえば由梨今ヘアメイクなんだっけ?そんな学校通うとかまでは聞いてたんだけど。」
そうだよ。と言うと、だからかも!と言い出すあい
「あのね!彼局で働いてるのよ。」
そこで、あっ!!と彼の存在を思い出した。
前に何回か一緒に仕事したことあると伝えると、そっか!凄い偶然!と喜ぶあい。
「そっか〜。夢叶えたんだね。」
そう言うあいは?と聞いてみた。
あいは音楽関係の仕事に就きたいと言っていたのを思い出す
「あー。私もね。一応やってる。ライブスタッフとか運営とか色々だけど」
そう言って名刺を貰ったので見てみると中々良いポジションで、凄いじゃん!と言うと、フフー。と凄く嬉しそうにしていた
「由梨は?あちこち飛び回ってるの?」
「私?…あれ、知ってる?雪乃空さんってアーティスト。」
そう言うと、えっ!!由梨専属なの?!と言うので、うん。と答えると斜め向かいに座ってた子がガタンッと立ち上がったので皆んなが一斉に見る
「ねぇ。今の話。…本当?」
ちょっと下を向いているので顔はあまり見えなくて雰囲気に押されながらも、う、うん。と答える