第3章 3
某日、居酒屋
思ったよりも押してしまった仕事が終わり一旦荷物を置き着いた先には既に盛り上がりを見せていて。
こういう状況から入って行くのはちょっと気がひける。
家で飲むビールが一番気楽だしね。と言った和さんの言葉が蘇り足が引ける思いだったがもう出欠にサインしてだしてしまった以上。
行くしかない
よしっ。と気合いを入れて扉を開けると一斉に此方を見る面々。
変わってない人もいれば大分大人びてしまった人も
キョロキョロとしていると
「あー!!由梨ーー!」
飛びついてくる何かは恐らくあいで。
「会いたかったー!」
私も思わず声を張り上げてしまう
そしてうわぁぁぁ!と何故か盛り上がりを見せる一同
「超レアじゃん!!散々飲み会にも来ないしさー!」
そう言うのはクラスの中心的存在で。
誘われていたことに身に覚えがなくて、そうなの?と返すとどうやら今までの飲み会はメールでのやり取りだったらしく誰とも連絡の取れなかった私は誘われもしなかったらしい。
「ごめんね。今度からは出来るだけ参加します!」
ニコッと笑ってそう言うと、とりあえず座らせてあげてよー。とあいが言い出しあいの隣に座った
「とりあえず飲みなさいよ!何飲む〜?」
メニューを差し出しそう言うので遠慮なく自分の好きなものを頼む
良かった。
あいがいるお陰か。皆んなが優しいお陰か。
思ったよりも居心地が良い
飲み物が来て、とりあえずカンパーイ!と言うあいに、お疲れー!と言ってカツンとグラスを当てると周りも皆んなで再度乾杯するのであははっと笑ってしまう。
「おい!神崎ー!久しぶりだなー!やべえ。会えたことに感動しちゃうくらい久々だわ。」
そう言ってわざと口に手を当てて泣く仕草をするのは涼くん。
「あっ。そうそう。報告あんのよ。私達別れたから」
涼くんが近づいて来たことで思い出したように言うあいはさらっとしたもので。
思わずつまみに手を出そうしていた手が止まってしまう。
「えっ。……そうなの?」
疑問に思ってしまうのは今目の前にある光景の所為。
別れたことを報告するあいの頭をぽんぽんとしながら、そうそう。とニコニコする涼くん
2人とも昔私が最後に見た姿と変わらなくて戸惑ってしまう