第2章 2
「しても良いよって言われても出来る様な人じゃないでしょ。何よりわかりやすいし、もしそうなっちゃってもただ襲われた人ってだけだから」
わかりやすいですか?と聞かれたので、うん。と笑うと頭をぽりぽり掻いて視線を外した
「俺は、わからなかったから。…由梨は何を考えて。何を思って俺といてくれるのか。………でも1つだけ。一緒にいてわかったことは返ってこない思いだったっていうか。」
ヒロトの言葉で由梨に一度振られた時のことを思い出した
そしてその気持ちが少しわかってしまいフフッ。と笑った
タバコをジュッと消して由梨達の元へ向かおうとしたら喫煙所に由梨が歩いてきた
そして俺に近づいて、探しちゃいました。と笑うので、ごめんごめん。と謝る気もないのに謝る
そしてその後、しっかり法要し帰る頃には仕事の時間に差し迫っていたので挨拶もそこそこに由梨を乗せて車を発進させる
「和さん。、、ありがとうございました。」
仕事の為、由梨を途中で降ろすと深々と頭を下げるので、いえいえ。と笑う
ここからはタクシーで行きます。と言って清々しい顔をして手を振るので軽くクラクションを鳴らし現場に向かった
その日の夜、帰ると由梨はシャワーを浴びているらしく俺の帰りに気づかないでいた。
いつもの定位置のソファに座りゲームをしていると上がったのかリビングに戻って来て、あ、お帰りなさい。と言うので、んー。ただいま。と由梨を見ると何か違和感があった
あれ?
今シャワー浴びてたよね。この人
「ん?ちょっと来て?」
そう言うと、何ですか?と俺の前に座るので髪を1束掬うとヌルッとした感触
あ、この人
洗い流し忘れてる。
これは由梨のたまにやるおっちょこちょいで。
コンディショナーをつけっぱなしで流すのを忘れるらしい。
今まで色んな人見てきたけど、こんなことする人俺としては初めてで。
昔まだ結婚する前に由梨の家に入り浸ってる時にもやっていて、初めて見た時は面白すぎて暫く笑ってた