第2章 2
そして暫く時間をずらして、俺らも行きますか。と言いゆっくりと向かった
「二宮さん。…本当に。ありがとうございます。俺が言える立場じゃないってわかってるけど。由梨を助けてくれてありがとうございます」
そう言うヒロトにフフッ。と笑って返す
「うん。ありがとうは一応もらっとくけどさ。俺、助けたつもりはないからね。あの人は自分から貴方から離れたのよ。それは俺がきっかけじゃないから。」
「貴方が思ってる以上にあの人大人だからね?」
そう言うと黙り込むヒロト
「多分ね。由梨は許してると思うよ。ヒロトくんの事。言わないだけで。」
ちょっとタバコ吸わして?と通りかかった喫煙所を指差し向かいタバコに火をつけた
「なに、吸わないの?」
そう言って一本渡すと、ありがとうございます。と受け取りタバコを吸い始めた
「んでさ。まぁ輝からちょいちょい聞いてたけど。今一緒に住んでんだっけ?」
そうです。と答えるヒロトに、あいつ煩いだろ。毎日一緒にいるとか耐えられない。と言うとハハッと笑いだす。
満更でもなさそうだ。
「さっきの話だけど。由梨は許してると思うよ。…でも。俺は許せないかな。…うん。無理だわ。許せない。」
笑いながら言う俺にびっくりしたのかタバコを吸う手が止まった
実際これは本気だった。
「怒ってないけどね?まぁ、あんまり良くないかもしれないけど感謝もしてる。」
へっ?と声を絞り出すヒロトにフフッと笑ってみせた
「俺ね、多分由梨がそういう状況じゃなかったら気になってなかったよ。きっかけとしてはかなりのインパクトだった。あー。そうそう。俺一度居酒屋で会ってんだわ。由梨のことトイレに連れ込んで噛んでたでしょ?」
ここ。と言ってタバコを吸ってない方の手で首を抑えると、あ、あぁ。はい。と小さくなる
「そっからだから。…まぁ、振られてんですけどね。」
そう言って自称気味に笑うと、えっ!二宮さんが?とびっくりするヒロト
「ハハッ。なにびっくりしてんの?当たり前じゃない。貴方と付き合ってたんだからそりゃ振られるよね。……そういえば良く浮気疑ってたみたいだけど。あの人そんな器用じゃないよ?」