第2章 2
「ちょっと由梨!目が赤いわ!何があったの?ニノちゃんにまた虐められた?」
駐車場に着いて一番初めにあったのは楓ちゃんで。
由梨を見るなり抱きしめて俺を睨んでくる。
「あれ?1人できたんですか?」
苦笑いを浮かべながら聞くとそのままダッシュで仕事に行くので車で1人で来たそうだ。
そうしていると携帯が鳴り出し出ると輝だった
「はよ。どこ?」
手短に聞くと既に着いていて神社の前にいるらしい。
「もういるって。行くよ」
いまだに抱きしめてる楓ちゃんとされるがままの由梨にそう言うと、あ、待って下さい!と何かをかばんから出して来た
「ん?マスク?」
ちゃんとしていって下さい。と心配そうに言うので、はいはい。と素直にマスクをつけた
つけてもつけなくてもバレちゃう時はバレちゃうんだけどね。
「あ、いたいた。輝くん!」
笑顔でそう言う楓ちゃんの後ろを歩く由梨にそういえばと話す
「輝さ、知らないからね。楓ちゃんの性別」
そう言うと、えっ!!と驚く由梨
「確かに。言わなければ女性より女性ですけど。」
由梨がそんな事を言うのでクフフっと吹き出すと、怒られますよ。と由梨も笑っていた
その笑顔を見てちょっと安心した。
今朝とは違っていつもの由梨で。
でも。
だんだんと輝に近づいていくと隣の男の人を見て少し泣きそうな顔というか、切なそうな顔をする由梨
あー。本当にこの人のこと思ってたんだなとわかるようで。
そして隣の俺を見上げ助けを求めるような
結婚する前に見た、あの顔をする由梨
思わず立ち止まってしまい連れて来た事を後悔してしまう
こんな顔させるつもりじゃなかった
自然と由梨の足も止まりお互い見つめ合っていた
そっと近づき頬を撫でる
「なんて顔してんですか。」
それは以前まだ出会ったばっかりの頃に言った言葉と同じで
由梨も気づいたのかさっきまでの顔とは逆にフフッと微笑んだ
「そうですね。和さんがいるから大丈夫です。一家に一台?」
二宮和也?とふざけて返すとあははっと吹き出すのでフッと鼻で笑った