第2章 2
後々に話したのだが結婚記者会見の数日前にプロポーズしたのが楓ちゃんにとっては相当ヒヤヒヤしたらしい。
「大丈夫ですよ。今日言うつもりだから。…だから今日ダメなのよ。楓ちゃんのご機嫌とらないといけないのにすみませんねぇ」
ニヤッと笑いながら言うと、そーよー。埋め合わせしなさいよ。と言う
「そーねー。そしたら。由梨一日あげましょうか?」
俺の言葉に、はぁ?!と素っ頓狂な声を出すので前を歩いていた翔くんが振り向いた。
「え、なに。どしたの?」
驚きつつそう聞く翔さん
「ちょっと聞いてよ!ニノちゃんたら自分の嫁一日あげるとか言うのよ!いくら私が男好きだからって、由梨なら全然いけちゃうんだから」
プンプンしながら言う楓ちゃんに、由梨ちゃんならいけちゃうんだ。と爆笑する翔さん。
「ニノ。気をつけろよ〜。楓ちゃんマジだから」
ヘタなこと言えないな。と言うのでフフッ。と笑い返した
「いや、でも。合意の上なら構わないですけど。」
俺がそう言うといつの間にか話を聞いていた潤くんが、おっ。兄弟か。楓さんと。とニヤニヤ言い出す。
「やめなさいよ!絶対いやよ!私がいや!」
心底嫌なのか両腕を抱えブルブルする楓ちゃん
「そーねー。その言われ方したら俺も無理だわ」
笑いながら言うと、そうでしょ?あー良かった!これだけは同じ意見で。と安心する楓ちゃんにンハハッと吹き出す
「ただいまー。」
仕事が終わり早々に帰宅すると由梨は既に帰っていて何やら美味しそうな匂いがした。
これは匂いだけでわかる。
俺の好物のあれだ。
「あっ。和さん。おかえりなさい」
キッチンからニコニコ笑いながらそう言う由梨は洗い物をしていて泡が跳ねたのか頬に一粒くらいの泡がのっかっていた。
そしてそれに気づいてないのか黙々と洗い物に専念しはじめるのでフフッ。と笑い様子を見る
「ん?何ですか?…どうか、しました?」
普段は帰ってきた瞬間からゲームが始まるのにそれをしないで由梨を観察していると視線が気になったのか不思議そうに聞いてくる由梨
そして泡はいまだについている
クフフっ。と吹き出し由梨の前まで行きそっと頬の泡をとって水で流した