第18章 18
風呂から上がって室内着のガウンに着替えたんだけど
「あれ、Sサイズないですかね?」
フリーサイズってやつしかないみたいで
「手が短いのがバレちゃいます」
袖から出てない手をパタパタ動かしてるから思わずクスッと笑う
「いーじゃない。どうせ脱ぐんだから」
おじさん発言です。と言われてニヤニヤ笑いながら濡れた髪をタオルでガシガシ拭いてるとその手をやんわり掴んできて鏡の前に座らされて
どうやら本業の血が騒ぐみたい
ブローされながら由梨をじっと見る
相変わらず手際が良くて
気持ちがいい
由梨が髪を乾かしてる間ソファでゴロゴロうたた寝してしまい
次に目が覚めた時にはいつの間にか布団がかけられてて
目の前にはソファを背もたれにして持って来た本を読んでる由梨がいた
そっと髪に手を入れて遊んでると途中から気づいたみたいで
「起こしちゃいました?」
「んーん。自分で起きた」
本を閉じてこっちに向き直るので引き寄せてキスしたら、んっ。と吐息を漏らすから
ちょっとだけそっちのスイッチが入りかける
「上乗って?」
仰向けになって由梨を引っ張る
「重くないですか?」
恐る恐る乗っかる由梨に、フフッ。と笑う
「由梨に重いと感じた事なんて一度もないよ?」
「そうですか?昔より太ってしまったし」
「そう?もしかして結婚前の俺が由梨の家に入り浸る前の話してる?」
はい。と答える由梨に思わず困った顔をしてしまう
「それは…フフッ。今の由梨の方が好きだよ?俺は」
部屋着のガウンだけだからスススッと太ももから腰にかけて優しく撫ぜると少し震える由梨に目を細める
あの時に比べたら確かにそうだけど
あれはやつれてたって言った方が正しくて
今の方が健康的で血色も良い
「んっ。……ほんとですか?」
「フフッ。うん。だからダイエットしないでね。晩酌なくなるの寂しいから」
そのままさわさわと下着越しに胸を触ると見下げてくる目が
艶っぽくて
入りかけてたスイッチなんて
最も簡単に入ってしまう