第18章 18
「え、なんでこんな上手いの?めっちゃ気持ちいいんだけど」
「仕事のついでにね」
「クフフっ」
思わず笑ってしまう
「仕事ね」
わざとそう言うと
「和さん」
ちょっと顔を赤くしてる由梨が相変わらずの可愛さでわざとニヤニヤ見つめてたら
「………和さんがね?腰痛めた時があってそれでね」
「あぁ。なるほど。和さんの為か」
なんでか秋ちゃんが嬉しそうで
もうトドメを刺された由梨は、もうお終い。と秋ちゃんから離れて俺の隣に座り直した
「フフッ。…主に俺のためでしょ?」
覗きこんで追い討ちをかけると困った顔して、はい。と小さく返事をする由梨
「…はぁぁぁ。色々ありがとう。」
いつの間にか元の位置に戻ってる秋ちゃんは
なんかよくわからないお礼を言ってまた飲み始めていた
それからは本当にお互い忙しくて
年末の音楽番組で一緒になったけど
お互い会えないまま
いつのまにか年も明けて旅行の日になっていた
「私が決めちゃってよかったんですか?」
後部座席からそんな風に聞かれて、問題ないよ。と答える
向かう先はそんなに遠いところでもなく
都心でもない
ちょっと緑が多めな
隠れ家みたいな場所で
やっぱり由梨に選んでもらって良かったと改めて自分の選択は間違ってなかったと思った