第18章 18
「なーんにも?」
それ以上は取り合いませんと
メニューをずいっと輝に渡す
「とりあえず、お祝いでしょ?飲もうよ」
そうして
そこそこデロデロになるまで飲まされる俺たち夫婦
その後は
年末の特番ラッシュに見舞われ
夜の晩酌もそこそこに
日付が変わった頃に帰宅すると
秋ちゃんと由梨が晩酌してた
「あれ、秋ちゃん。放浪の旅は終わったの?」
「アハハ。はい。ただいまです」
カラカラと笑う秋ちゃんはまた二宮家のペットになりに帰って来たみたい
ささっとシャワーを浴びて軽く一杯に付き合ってると
「失恋の傷を癒しに戻ってきました」
「え、たいちゃんがフラれたの?」
びっくりして目をぱちぱちする由梨
「なんだよ。俺だってフラれるんだから。だからちゃんと癒してね」
どうやらこの大型犬もそれなりにちゃんと成人男性の恋愛をしてるみたい
「しょうがないな。あと一杯付き合ってあげるよ」
空になったグラスに酒を注いで乾杯する
「どうやって癒そうか」
「もういつも通りの二宮家でいいです。それ見に来たんで」
相変わらずおかしな事を言う秋ちゃんにンフフフ。と笑う
「癒すか……マッサージでもしようか?」
「え、なにそれ。やって!」
由梨の一声に即座にうつ伏せになる秋ちゃん
「フフッ。しょうがないな」
グラスを置いて秋ちゃんにマッサージを施す由梨