第2章 2
その日は散々楓ちゃんに飲まされて大分ベロベロになって帰宅した。
シャワーもそこそこに寝室に行くとぐっすり眠る由梨がいて。
耳にはイヤホンをつけていた
それをそっと取り自分の耳にあてると聞き覚えのありすぎる曲で
なんでこの人は嵐、というか俺のソロ曲聴きながら寝てんだよ。
面白くて思わず笑いが込み上げる
ウォークマンを退かしてベッドに潜り込み抱きしめると、う〜ん。と少し伸びをする由梨
「んー。……和さん?…おかえりなさい」
ただいま。と返すと何故かフフッ。と笑いながら、お酒の匂いがします。と抱きしめ返してくる由梨
「いやー。飲み過ぎた。…臭い?すみませんねぇ。」
対して謝る気もないのにそう言うと、大丈夫です。と擦り寄ってくる。
「…ところでさー。なんで俺の曲?」
寝ながら聞いていた曲について問うと、え。バレちゃいました?と言うのでフフッ。と笑う
「和さんの曲聞くとよく眠れるんですよね。あと和さんの匂いも落ち着く」
そう言ってクンクンと胸元辺りの匂いを嗅ぐので、くすぐったいよ。ともぞもぞすると、フフッ。すみません。と笑う由梨
どうやら俺の曲は由梨にとって睡眠導入剤らしい。
「それでライブの誘い断ってたの?」
結婚してから毎年のようにライブの誘いをするも、いや、いいです。の一点張りで
俺は結婚してもこの人にフラれ続ける運命なんだなと最近は思っていた
「いや。これはお布団とセットの状態の話であって立ってる時には眠くはならないですよ?」
「じゃあこれが理由じゃない訳だ。」
フフッ。と笑う由梨は理由を話す気はないみたいで擦り寄るようにしてくる
その話に興味がなくなり真下にある由梨の頭に鼻をつけてすぅっ。と匂いを嗅ぐ。
どんだけ長く居ても由梨は酷く落ち着く匂い
どうやら俺も由梨の匂いが睡眠導入剤らしい
「ん〜。はぁ。…由梨の匂いも落ち着く」
わざと大袈裟に匂いを嗅ぐと、フフッ。と笑い、恐れ入ります。と言うので、いえいえ。とニヤついた