第2章 2
「こちらは服部楓さん。ヘアメイクなんだけど、由梨の師匠みたいなもんだから」
楓ちゃんを紹介すると、さん付け気持ち悪いからやめてよ。と言うのでハハッと笑い流した
「は、初めまして!木田輝です!…うわ〜!めっちゃ美人すね!」
そう言って感動の眼差しを向ける輝に思わず吹き出した
そして吹き出す俺を一度だけキッと睨む楓ちゃん
直ぐに輝に向き直り、ありがとう。嬉しいわ。と営業スマイルを向けていた。
「話は一通りニノちゃんから聞いてるわ。もし良かったら私も協力させてくれないかしら?」
由梨の為になにかしてあげたいの。と続ける楓ちゃんに、はい!と嬉しそうに応える輝
「一応ね。フリで良いから楓ちゃんと輝がカップルって程にしたい訳よ?…大丈夫?できる?」
えっ!と言い少し照れながら頬をぽりぽりする輝
「いや〜。こんな美人な彼女連れてたことないんでわかんないっすけど。俺なんかでよければ是非!」
「わぁぁ!嬉しいわぁ!ありがとう!貴方となら上手くやっていけそうね!」
もう笑いが治らなくて隠れてクスクス笑っていると輝が、ちょっとトイレ。と出て行った
「あんた笑い過ぎよ!事が済むまで言わないってニノちゃんが言い始めたのにバレちゃうからやめてよ!」
はぁ。とため息をつく楓ちゃんに、すみませんね。と苦笑いをする
由梨に断られた次の日に楓ちゃんがヘアメイクで付いていたのでそれとなく話していたら今回の計画を思い付いていた。
本当はヒロトと楓ちゃんがカップルの設定の方が良かったんだけど楓ちゃんが、いつ殴りかかるかわからない。と恐ろしい事を言うので輝を代打にして今回の計画が決まった
何故輝に楓ちゃんの真実を言わないのかは当日ぎこちないようになっては困るし、楓ちゃんの場合、言わなければ誰もが認める女性であるから。
唯一由梨のことを全て知っている女性的な人である楓ちゃんがこの役に一番相応しい
「あー。面白い。…でも良かった。輝が単純で」
俺なら様子うかがっちゃうもんなー。と言うとフンと笑う楓ちゃん
「ニノちゃんはね、捻くれ者だからしょうがないわよ。無いんじゃないの?臍」
「…相変わらず失礼だな。、、まぁ、そろそろなくなってもおかしくないんじゃないかな」
笑いながらそう言うと、でしょーね。と軽く流された