第14章 14
だからの[再婚]て発想だったのかなって
ちょっともう聞きたくないフレーズだけど
「ありがとうございます」
「ん?なにが?」
「いや、長年の友達の気持ちとして。由梨と結婚してくれてありがとうございます。二宮くんでほんと良かったって思ってます」
きっとどこまで俺が知ってるかわからないからそんな言い方なんだろう
「ンフフフ。認めてくれますか?」
「もちろん。娘をよろしくお願いします」
わざとそんな事言うもんだから含み笑いをしてしまう
それから程なくして
「(カランカラン)あ、きたきた。いらっしゃい」
「遅くなりました」
「おつかれ。あれ?荷物は?」
身軽な由梨を見てどうしたのか聞くとどうやら明日は空ちゃんからみたいで預かってもらったそう
涼におすすめを出されて嬉しそうに飲む姿は一仕事やり切った清々しい顔をしていた
「涼くんがまさかバーテンダーなんて。びっくりしたよ。かっこいいね」
「ありがとう。てっきりあいから聞いてるかと思ったよ」
「フフッ。次はあいと来ようかな」
「是非。居る時あとで連絡するね」
2人の会話を微笑ましく見てると
「和さんは何を飲まれてるんですか?」
ずいって覗き込んでくるから
「一口どうぞ」
グラスを差し出した
「あ、これも美味しいですね」
ほんと、美味しそうに飲む事
「明日も早いの?最近忙しいね」
「お陰様で。ヘアメイク後すぐ出ちゃってすみません」
由梨は俺たちのヘアメイク後、後は悠ちゃんに任せて空ちゃんの方に回ったり、逆も然りバタバタと動き回っているらしい
「全然。悠ちゃん頑張ってるよ。みんなと相性いいみたい」
「それは悠くんも喜びますね」
多少のフォローは必要でも悠ちゃんは由梨の分身の様に頑張ってる
そんな姿を見てなんだかんだ皆んな応援しちゃってんだよな