第13章 13
家に帰ると玄関にはいつものサンダルがあって
そっとリビングを覗くとヘッドホンを付けてパソコンをいじる和さん
そのままお風呂でシャワーをすませて
お茶を入れて和さんの隣に置いて邪魔にならないように視界に入らないところに移動しようとしたら
「ん、ありがと。お帰り」
手首を掴まれて隣に座らされる
「はい。ただいまです」
「……あれ?風呂入ったの?」
髪を触られて気付く
「あ、………またやっちゃった」
トリートメントをまた流し忘れてる事を気づいて和さんは吹き出した
「クフフっ。入り直そうか」
そのまま連れてかれて一緒に入ることに
私がお酒が入ってるから多少時間が経ってるけどシャワーだけですませると和さんも出てきて
「和さんはゆっくりして下さい」
「いーの。今日は」
さっさと着替えてリビングに行ってしまうのを追いかけて髪をガシガシ拭いてる和さんの背後に回ってそっとタオルを取りあげて優しく拭きあげてドライヤーで乾かすと気持ち良さそうに目を閉じてる
和さんの髪が終わって私も乾かしてると
「はい。飲み直し」
今日はホットワインみたい
「シャワーだけじゃ寒かったでしょ?」
そんな気遣いにキュッとなりながら、ありがとうございます。と受け取った
「あ、美味しいですこれ!」
「この前涼に教えてもらったのよ。あの人趣味でバーテンダーやってんの知ってた?」
「え?涼くんが?」
「そう。輝と遊びに行った」
いつの間にかそんなところで親睦会が
「今度一緒に行く?」
「行きたいです!」
嬉しくてニコニコ笑いながら和さんを見上げると
ふと視線の先にパソコンが見えて
「そういえば、お仕事途中でしたね。邪魔しちゃった」
ごめんなさい。と続けると
「え?いーのよ。別に。もう終わりかけだし」
和さんは時々カバー曲を作ったり、自分で作詞作曲もするからソファの片隅で小さくなってパソコンをぽちぽちしてる時があって
そう言う時はなるべく邪魔しないようにしていた