第13章 13
「どした?」
思わず難しい顔をしてたのかたいちゃんは心配そうに見つめてくる
「……たいちゃんはさ、気づいてるよね?………あれの事」
視線の先には[あの子]がいて
今は和さんが選んでくれたお花が一輪飾ってある
「…………あー。、、まぁ。そりゃね?」
何も聞いてはないけど。と言うたいちゃん
「無理に話す事じゃないだろ?それに。和さんと由梨が笑っててくれたらそれでいいから。俺に義理だてみたいなのは考えんなよ」
頭を優しく撫でられる
「まぁ、由梨が話したいなら全然聞くけどさ」
「……ありがとう。…そうだね。ちょっとだけ。
あの子ね
私と和さんのじゃないんだ
でも、すごく大事にしてくれてて
それが本当に嬉しくて、あったかくて。
幸せだなって
でも
不安もあってね?
言葉って難しいから
あんまり上手くは伝えられないんだけど」
ちょっと困った顔をしてしまう
たいちゃんは、フッ。と笑って
「いーよ。無理しなくて。和さんには伝わってんだろ?」
頷くと
「じゃー。それでいいじゃん。いーか?由梨は考えすぎ。もっと和さんに甘えていんだって。」
「十分甘えてるよ」
「アホだな。足りねーって。もっと愛されてる自覚をもてよ」
頭を未だにヨシヨシしながら言うたいちゃん
「あと、…俺にも遠慮いらねーから。大事にしたいんだよね。2人の雰囲気つか、この夫婦を」
「なにそれ」
「好きなんだよ。この空気感が。今1番の優先事項がここなの。……だから。何かあって必要なら寄り添うし。助けさせて」
な?と言うたいちゃんに思わずポロポロ涙が溢れる
「ありがとう」
「なんだよ。泣くなよ」
「うぅ。だめ、止まんない」
「たく、……あ、和さんが濡れるって」
そう言った時にはもう遅くて
和さんの額にポトッと涙が滑り落ちて、
ゆっくり目を開ける和さん