第14章 龍の巫女
「鈴音、お前は俺のものだ」
「と、当然です」
八千代は怒っていたが、つい照れてしまう
二人の後ろでは桜と帳がやれやれ、とため息を吐いていた
「ですが八千代さん。私はあまり皆さんのお役に立てていません。舞姫くらい…」
「お前は祠の結界強化に専念すればいい。他の誰にもできない重要なことだ。今一度よく理解しろ」
「そんな…八千代さんはたくさん仕事をしてるじゃないですか」
八千代はいつも忙しそうだ
それなのに、自分は空き時間を自由に過ごしており、申し訳ない気持ちがある
どうしたら八千代が舞姫を許してくれるだろうか
そう考えていると八千代の足がピタリと止まる
「や、八千代さん…?」
「鈴音。お前も俺に逆らうつもりか?」
笑顔を貼り付けた八千代
だが、それは鬼のように恐ろしく
「そ、そんなつもりは…」
慌てて弁解しようとすると腰を抱き寄せられ、唇が塞がれる
「んっ…」
舌が侵入し、直ぐに口内を犯される
八千代は後ろにいるであろう帳と桜に下がるように手を振ると、二人は音もなく立ち去っていった
「鈴音、あまり俺に逆らうと檻に閉じ込めるぞ」
「な、なんで…」
再び口を塞がれ、意識が朦朧とする